みなさんは「アップサイクル」という言葉を聞いたことがありますか?アップサイクルとは、使い終わった物や不要になった物を、もっと価値のある新しい物に生まれ変わらせることです。例えば、古いジーンズを使ってバッグを作ったり、着なくなったシャツをクッションの布にしたり、古いプラスチックボトルから靴を作ったりするようなことを言います。
これまで、アップサイクルは小さな職人さんやNPO※団体が中心で行われていました。しかし最近、ナイキやアディダスといった有名なスポーツメーカーや、大きな洋服メーカー、食品会社なんど、世界中の大企業がアップサイクルに力を入れ始めています。なぜでしょう?それは、アップサイクル市場が急速に大きくなっているからです。
※NPO:慈善活動や社会貢献をする民間団体のことです。
大企業がアップサイクルに注目する理由は、主に3つあります。1つ目は、地球の環境を守りたいという思いです。プラスチックリサイクルなどの取り組みを通じて、ゴミを減らし、地球を大切にしようとしています。2つ目は、消費者の気持ちが変わってきたからです。特に若い世代の人たちは、エコ※な物、地球にやさしい物を買いたいと強く考えています。3つ目は、ビジネスとしてお金を稼げるチャンスだからです。古い物を新しく変えることで、新しい商品を作ることができ、それを売ることで大きな利益が生まれるのです。実は、地球を守ることと、ビジネスの成功は両立できるということなんです。
※エコ:環境にやさしいという意味です。
プラスチックリサイクルとアップサイクルは似ていますが、ちょっと違います。プラスチックリサイクルは、使い終わったプラスチックを集めて、また新しいプラスチック製品を作り直すことです。例えば、ペットボトルを回収して、また別のペットボトルや容器に変える方法が一般的です。これはとても大切な活動で、ゴミを減らすために欠かせません。しかし、何度も何度も作り直されていくうちに、プラスチックの品質が少しずつ低くなっていきます。
一方、アップサイクルは、古い物をもっと高い価値の物に変えることです。例えば、古いプラスチックのボトルを集めて、それを使ってかっこいい靴やバッグを作るようなことです。プラスチックリサイクルが「同じ価値を保つ」なら、アップサイクルは「より高い価値を生み出す」という違いがあります。つまり、アップサイクルなら品質が下がらず、むしろより素敵な製品になるわけです。
最近、有名な靴メーカーのアディダスは、海から集めたプラスチックゴミを使って、限定版のスニーカーを作りました。これはアップサイクルの良い例です。捨てられてしまうはずだった海のプラスチックゴミが、誰もが欲しい高級な靴に生まれ変わったのです。また、別の企業では古いコーヒー豆の袋から防水性の良いバッグを作ったり、回収した漁網からジャケットを作ったりしています。このように、大企業がアップサイクルに力を入れることで、不可能だと思われていた材料の活用が実現し、アップサイクル市場がどんどん大きくなっています。
大企業がアップサイクル市場に本格的に参入することで、世界中に大きな変化が起きています。まず、アップサイクルの技術がどんどん進化しています。大企業は、最新の機械やたくさんの研究者を使って、より良いアップサイクル商品を作ることができるようになりました。その結果、品質が良く、買いやすい値段のアップサイクル商品が増えています。昔は、アップサイクル商品は値段が高くて、限られた人にしか買えませんでしたが、今は学生でも買える値段の商品もたくさん出てきました。
また、アップサイクル市場が拡大することで、もっとたくさんのゴミが新しい商品に生まれ変わるようになります。例えば、プラスチックリサイクルだけでなく、古い洋服、古い靴、古い家具、使い終わった運動靴、さらには食べ物の残りかす(食品廃棄物)など、様々な物がアップサイクルの対象になり始めています。これによって、地球全体のゴミの量を減らすことができるのです。
さらに大切なのは、こうした大企業の動きが、世界中の人々の考え方を変えているということです。子どもたちも含めて、多くの人がアップサイクルについて知り、エコな商品を選ぶようになっています。学校でも、このようなリサイクルやアップサイクルについて学ぶ時間が増えています。皆さんの中にも「自分たちが使わなくなった物って、こんなふうに活躍できるんだ」と気づく子どもたちがたくさんいるはずです。
アップサイクル市場が拡大していくことで、地球の環境はもっと良くなるはずです。けれど、大企業の力だけでは十分ではありません。皆さんも、古い物を新しく生まれ変わらせることの大切さを知り、プラスチックリサイクルやアップサイクルに参加してみてください。
具体的には、家で使わなくなった洋服や靴を寄付したり、プラスチックゴミを正しく分別して出したり、アップサイクル製品を選んで買ったりすることなど、小さなことからできることがたくさんあります。また、おうちの人や友だちにアップサイクルのことを教えてあげるのも、とても大事な活動です。大企業だけでなく、一人ひとりの力も、地球を守るためにはとても大事なのです。皆さんが今日から始める小さな行動が、未来の地球を大きく変えていくことを覚えていてください。