みなさんは、不要になったプラスチックがどうなるか考えたことがありますか?「リサイクル」という言葉をよく聞きますが、実は「アップサイクル」という、もっと素晴らしい方法があるんです。
リサイクルは古いものを集めて、溶かしたり砕いたりして、新しい同じような製品に作り直すことです。一方、アップサイクルは古いものを別の、もっと価値のある製品に変身させる方法です。例えば、古いプラスチックボトルをリサイクルすればまたボトルになるかもしれません。でも、アップサイクルなら、そのボトルが素敵なバッグや洋服、スニーカーなどに生まれ変わるのです。実際に、有名なスポーツメーカーが海からの廃プラスチックをアップサイクルしてシューズを作っている例もあります。
地球にとっては、どちらが良いでしょうか?実は、アップサイクルの方が環境に優しいんです。なぜなら、新しい製品を最初から作るときに比べて、エネルギーをずっと少なく使うからです。
ライフサイクルアセスメント※という調査方法があります。これは、製品が生まれてから最後に捨てられるまでの全ての過程で、どのくらい環境に影響を与えるかを調べるものです。アップサイクルされた製品とリサイクルされた製品、そして最初から新しく作られた製品を比べると、驚く結果が出ます。
新しくプラスチック製品を作るには、石油から材料を取り出して、工場で加熱したり、形を作ったり、色を付けたり、運んだりと、とてもたくさんのエネルギーが必要です。一方、アップサイクルは既にあるプラスチックを上手に使って別の形に変えるだけなので、必要なエネルギーが圧倒的に少ないのです。つまり、二酸化炭素という地球を温めてしまう気体の排出も、ずっと少なく抑えられるということです。
実は、1本のペットボトルから新しいボトルを作るのに必要なエネルギーと、そのボトルをアップサイクルしてバッグにするのに必要なエネルギーを比べると、アップサイクルの方が30~50%も少ないという研究結果もあります。
※ライフサイクルアセスメント:製品の一生涯における環境への影響を計算する方法
アップサイクルは今、世界中で注目されています。ノルウェーの企業では、漁網として使われた廃プラスチックを回収して、新しい漁網やロープに作り直しています。日本でも、古い傘をリュックに変えたり、使い古したTシャツを雑巾やぬいぐるみに作り変えたりするアップサイクル工房が増えています。さらに、アップサイクルの技術を学ぶワークショップも全国で開かれており、多くの子どもたちが参加して、自分たちの手で素敵な作品を生み出しています。
アップサイクルとリサイクルの違いを理解することで、私たちは物を見る目が変わります。今まで「ゴミ」だと思っていたプラスチックボトルも、実は宝物かもしれません。学校の工作の時間に、古いプラスチックカップを使って小物入れを作るのも、古いビーズを使って新しいアクセサリーを作るのも、実は小さなアップサイクルです。
大切なのは、物を大事にし、別の用途で生かす工夫をすることです。もし家に不要なプラスチック製品があれば、ただ捨てるのではなく、アップサイクルできないか考えてみてください。ペットボトルは貯金箱に、古い洋服は布製のバッグに、使い古したタオルはぞうきんにするなど、工夫次第で色々な変身が可能です。親御さんと一緒に、創造的にアップサイクルする方法を探す癖をつけることが、未来の地球を守る力になるのです。小さな工作から始まるアップサイクルが、やがて大きな環境保全活動へとつながっていくのです。