アジアのアップサイクル戦略:日本の技術力とアジア諸国の創意工夫から学ぶプラスチック問題解決の道

アジア各国のアップサイクル取り組み比較

ポイント1:日本の細かい分別が生み出すアップサイクルの強み

日本は、プラスチックリサイクルの世界でもっとも進んだ国の一つです。日本の特徴は、ペットボトルやプラスチック容器をとても細かく分別※1することです。例えば、透明なペットボトルと色付きのペットボトルを分ける、プラスチック製のふたとラベルを別々に分けるなど、とても丁寧に分けられています。この細かい分別によって、きれいで質の高いリサイクル材料が集められます。そのため、古いプラスチックを新しく生まれ変わらせるアップサイクル※2が上手くいくのです。

実際の例として、使い終わったペットボトルから作った繊維を、洋服や鞄に変える企業がたくさんあります。野球ユニフォームやスニーカーの素材として使われていることをご存じですか?日本の工場では、集められたプラスチックを洗浄し、細かく砕いて、新しい製品に変える技術が発達しています。このような高い技術力によって、プラスチックは何度も何度も生まれ変わることができるのです。さらに大切なのは、日本の「ものを大切にする文化」が根底にあることです。この文化が、アップサイクルリサイクルの成功につながっているのです。

ポイント2:インドネシアやタイの創意工夫で生まれる新しい価値

インドネシアやタイでは、日本とは異なる形のアップサイクルリサイクルが広がっています。これらの国では、プラスチック廃棄物※3が大量に出ていますが、その問題に立ち向かうため、工夫する力で新しい製品に変えています。例えば、捨てられたプラスチックボトルを組み立てて、花壇やゴミ箱を作ったり、さらには船やイカダまで作ったりする取り組みがあります。プラスチックボトルの浮力を利用した工作は、子どもたちにも大人気です。

さらに注目すべきは、地域の人々が一緒に参加するプロジェクトです。子どもも大人も、捨てられたプラスチックを集めて、それを新しい遊具や建築材料に変えています。学校の校庭に手作りの遊具が増えたり、地域の公園が生まれ変わったりしています。このやり方は、リサイクルの知識を広めるだけでなく、地域のコミュニティ※4を強くします。つまり、環境を守りながら、同時に人々のつながりを生み出しているのです。お金をかけずに工夫する力が、新しい価値を生み出しているのが特徴です。

ポイント3:各国の取り組みから学べること

日本の技術力と、インドネシアやタイの創意工夫を比べると、アップサイクルリサイクルには様々な方法があることが分かります。日本は「高い技術で高い品質を目指す」方針で、インドネシアやタイは「限られた資源で工夫する」方針です。どちらが良いのかではなく、両方のやり方から学ぶことが大切です。

例えば、みなさんの学校でも、日本の分別の大切さを学びながら、同時に限られた材料で何かを作る工作の時間を増やすことで、両方の力を身に付けることができます。アジア各国が協力して、良いところを取り合うことで、世界中のプラスチック問題を解決する力が生まれます。将来、みなさんが大人になるとき、日本で学べる「分別の大切さ」と、他のアジア諸国で学べる「創造性の大切さ」の両方を持っている人になることが、世界の環境を守る大切なポイントなのです。

※1 分別:ごみを種類ごとに分けることです。
※2 アップサイクル:捨てられるはずだったものを、新しい製品に生まれ変わらせることです。通常のリサイクルより、より良い価値を生み出します。
※3 廃棄物:使い終わって捨てられるもののことです。
※4 コミュニティ:地域の人々の集まりや結びつきのことです。